将来莫大な利益となるという謳い文句で勧誘し、有料FX自動売買ツールを販売していた業者です。
若者を中心に「億を稼げる」等と言われて勧誘され、紹介中心に広まった案件のようですが、ロスカット続出で多額の金銭被害が発生し、国民生活センターにも多数の相談が寄せられたようです。
現在既に公式サイトも繋がらないようですが、一体何があったのでしょうか。
特定商取引法に基づく表記
サービス名 コンケットワールド
事業者の名称 concketworld inc.
運営責任者 Elishia micah galela
所在地 2150 doneve bldg. 3rd floor leveriza st. Malate manila
電話番号 +7-423-240-7016
E-mail system@concket.net
URL http://concket.org/index.html(閉鎖?)
コンケットワールドとは?
本案件について、今回のリサーチで分かった良くも悪くも特徴と言える部分は主に下記のようになります。
・EA(FX自動売買ツール)の高額販売
・実質的な運用実績が公開されていない
・「月利15~20%」等と謳って勧誘している
・運営者情報が海外法人
・販路は友人や知人を介してのMLM
・zoomによるセミナーや講習会を開催
…どうでしょうか。
EA(FX自動売買ツール)を販売している会社は多数ありますが、大学生等といった若者を中心に紹介による高額販売やセミナーをしているとなると途端にキナ臭いイメージが沸きます。
まだあまり社会を知らない世代に対し、セミナーや講習会で一体どのようなことを教えていたのでしょうか。
なお、名前がコンケットワールドになる前から似たようなことをやっていたようです。
販売価格は約50万円?
EA(FX自動売買ツール)の価格は日本円で約50万円という高額なものだったようです。
本案件は大学生等の若年層を中心に、MLM手法で販売されていたようなので、学生にとって50万円は非常に厳しかったはずですが、学生ローンや消費者金融からの借入で支払っていた人も多数いたことが口コミから分かります。
EAとしての実績が不明
本案件の主な問題点は、EAの実力の不確かさとMLMによる被害拡大という二点にあると思っています。
まずEAそのものについてですが、本来、最も重視すべき運用実績やバックテスト結果等が、本案件では事前にロクに確認できなかったようです。
勧誘を受けている最中に、ようやく運用実績等に関するデータを見せられたという口コミを見かけましたが、その運用データも正しいものなのかどうかも不明です。
本当に素晴らしい実績のある優秀なツールなのであれば、他の多くの場合、公式サイトに予め掲載しているケースがほとんどです。
「借金だけが残った」という被害が続発している
口コミは必ずしも悪いものばかりではなく、「順調に利益が出ている」といったものも見られます。
一方で、勧誘されてEAを購入し、FX自動売買を始めたもののロスカットされて一文無し、それどころかEA購入の為にした借金の返済だけはしていかなければならない、というトラブルも頻発したようです。
本案件におけるEAが、どのような機序のシステムであったかは分かりませんが、もしも仮にナンピンマーチンゲール手法のものであったなら、利益が出始めるのは非常に早いものの、トレンド発生であっという間にロスカット、というパターンは少額運用ではよくあることです。
もちろん、本案件のEAがナンピンマーチンゲール手法のEAであったかどうかは不明ですので断言はできませんが、セミナーや講習会等を行っていたのであれば、資金を溶かさない為の対策や手法はどのように教えていたのか?という疑問が残ります。
TIB(team investment and business)とは?
約50万円のEAを購入することで、 TIB(team investment and business)というコミュニティに自動入会となるようです。
形としては、そのTIBというコミュニティでセミナーや講習会が開催されていた、ということのようです。
ちなみに、EA自体の名称はST、RB、081、082、083、084、086等、システム内容に応じて多数存在したようです。
concketworld inc.の社屋は実在するのか?
そもそも、表向き公開されているconcketworld inc.の会社情報は正しいのでしょうか。
所在地としてフィリピンの住所が公開されているにもかかわらず、電話番号はどうもロシアのもののようで、そういった部分からして整合性がない点がいくつかあります。
また、口コミによれば、そのフィリピンの住所も消防施設だという話も見られましたし、意外と何もかも出鱈目ということも有り得ます。
本案件に限らずですが、こういった会社情報等をよくよくチェックすることで分かることも多いので、すぐ安易に契約してしまう前に、ある程度調べることを推奨します。
MLM集客の弊害
本案件は大学生等の若年層を中心に、MLM(マルチレベルマーケティング)による集客・勧誘が行われていたようです。
故に、被害情報を共有し合うサイト等では、人間関係が破綻したという人々の、阿鼻叫喚の書き込みが多数散見されました。
ちなみに、紹介者には5万円、紹介者の紹介者に3万円の紹介料が入る仕組みになっていたそうですで、紹介料で儲ける為に知人・友人を必死で勧誘した方も多数いたようです。
その後~現在
コンケットワールドは現在、Liam (リアム)という名前でこれまで通りの営業をしているようですので注意が必要です。
ちなみに公開情報では今度の所在地はマレーシアとなっていますが、例によって真偽の程は不明です。
まとめ
既にコンケットワールド時代の公式サイト自体が停止となっている為、お奨めするもしないもないのですが、本案件の概要についてあらためて把握することで、今後、もしも似たケースや似た案件に遭遇した場合に、リスクを回避する判断の一助となれば幸いです。
これまでに散見された大型詐欺案件の特徴にも多く見られた様に、基本的には本案件も高い利益が出ることを売り文句にして勧誘されていました。
更に、MLM手法による勧誘が被害拡大を招いたとされています。
参加の検討段階で少し立ち止まり、ひと疑いをすることで、被害を回避できた人もいたかもしれません。
とはいえ本案件では、まだ社会経験や投資経験に乏しい大学生等、若年層を中心にMLMが仕掛けられていたようですので、なかなか真理が見えてき難い事を利用され、友人・知人の言うことなら、と信用してしまったという人は多数いたことでしょう。
これまでも何度も言っていることですが、本当に美味しい話など、基本的には無いと思ったほうがいいです。
高配当であるのには高配当であるだけのきちんとした理由がなければおかしいのですが、その実績もロクに公開せず、他社を勧誘して儲けることを教えていたのでは最早投資ではなく、本末転倒です。
最もらしいことを言われたとしても、冷静に、一般的な観点でしっかり見た時、少しでも矛盾を感じた場合は立ち止まって考える勇気を持ちましょう。
ましてや、MLMの形態の場合、自分自身だけの問題ではなくなってくるわけですので、よりニュートラルな視点で吟味する必要があります。
(参考)本日のキーワード1
EAとは
FX自動売買の「EA」とは「Expert Adviser」の略で、FXの自動売買を行うプログラムを指します。EAは単体では何もできず、MT4といったプラットフォームに組み込まないと使えません。あらかじめ設定した売買条件に従って機械的にエントリー・決済してくれるので、安定したトレードができるのがメリットです。さらにプロが作ったEAを使えば、自分が知らないトレード手法が使えたり、自分が苦手な相場でも稼げる可能性が高まります。
というわけで便利そうなEAですが、EAにも種類や傾向がありますので、ただ使えば必ず良い結果が出るということではなく、自身の戦略に合致したものを選んで適切な設定をする必要があるかと思います。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)
(参考)本日のキーワード2
MLM(マルチレベルマーケティング)とは
商品の購入者を「販売員(ディストリビューター)」として起用し、その販売員は、さらに別の人を販売員として起用することができる。
このように、購入者を構成員として「多階層の販売員組織」を形成しながら、商品の販売活動をおこなっていくことを「MLM(マルチレベルマーケティング)」といいます。
販売員は、商品の売上額が多ければ多いほど報酬をたくさん貰うことができ、さらに下の階層の人(紹介した人)の売上額からも報酬をもらうことができます。
なので、販売員(ディストリビューター)となった人は、必死で勧誘活動をするわけですね。
https://viral-community.com/starting-side-business/mlm-4024/
というわけで組織の構造上、ピラミットの上側にいる人は、下方の人が増えれば増えるほど収入が上がる仕組みである為、強引な勧誘もしばしば発生するようです。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)