仮想通貨FXの自動売買を行う投資案件として、月利10%超の高配当を謳って出資を募っていたようです。
その実態を見ていきましょう。
運営者情報
- サービス名 ゲインスカイ(GAINSKY)
- 運営会社 Gainsky Investment Ltd
- 運営責任者 Robert Bentz
- 本社所在地 不明
ゲインスカイ(GAINSKY)とは?
本案件について、今回のリサーチで分かった良くも悪くも特徴と言える部分は主に下記のようになります。
・月利10%超に及ぶ高配当と謳っていた
・「Regal Core Markets」というFX会社が実際の運用を担当する
・多数のアフィリエイトブログで肯定的に紹介されていた
・「Regal Core Markets」の悪評が多い
・運営者情報が乏しい
…どうでしょうか。
本案件は既に出金ができなくなっているようです。
高配当が魅力であったはずの本案件に、一体何が起こったのでしょうか。
「Regal Core Markets」の問題点
実際の運用を担っていたRegal Core Marketsですが、蓋を開けてみれば問題点も多々あったようです。
海外のFX業者レビューサイトにおける評価が異常に低いです。
五段階中の最低点である一となっております。
ここまで低評価であるのにはそれなりに理由があるはずです。
まず、Regal Core Marketsはバヌアツの金融ライセンスを取得しているFX業者です。
一番の懸念点は、「信託保全がない」ということです。
信託保全とは、ざっくり言えば、万が一の際に、預かった証拠金を利用者に返還する制度です。
Regal Core Marketsのライセンスには、それが含まれていません。
事実上、預金保険はナシ?
ゲインスカイは当初、運用資金に保険が掛けられる預金保険が実装されると予告していました。
その保証会社というのが「National Insurance Alliance Limited」という会社のようですが、登記や金融業認可の確認ができない為、形だけのペーパーカンパニーである可能性があります。
そうなると、実質的には預金保険は無い、ということになります。
本社オフィスが存在しない?
ゲインスカイの本社はドイツにあるとされていますが、本社オフィスだとされている写真は、フリー素材画像を加工されたものであることがリークされています。
…何故、オフィス写真を偽る必要があるのでしょうか。
実際に、本社オフィスが存在するのかどうかも怪しくなってきました。
利用規約について
ゲインスカイの利用規約には
・お客様に事前通知することなく、いつでもアカウントまたはプライマリサービスを終了する権利(「終了通知」)を有する
・終了の理由をお客様に通知する義務を負わないものとします
といった文言の記載があります。
このような文言が予め規約に明文化してあるということは、後々のトラブルも計画的なものであったのではないかという邪推をついついしてしまいますが、果たして真相は…?
2020年11月24日出金停止発表
ゲインスカイは2020年11月24日に出金停止を発表しています。
発表された主な理由は、端的に言えばKYC(本人確認)認証を導入したところ、Regal Core Markets側の人手不足により業務の滞りが起こったようです。
…正直言って、非常に苦しい言い訳に見えます。
ちなみにKYCとは二段階認証の一種で、ゲインスカイは出金時の本人確認をより厳重にする為に導入したとのこと。
KYCの申請には本人確認書類(住民票や免許証等)と銀行口座関連の書類が必要となるので、ユーザーからすれば手間・面倒・時間がかかるというイメージかと思います。
このKYCの導入も、実際には単なる時間稼ぎの一環である可能性があり、実際にはもう出金できないままゲインスカイが破綻する、という最悪のパターンも有り得ます。
何故なら、以降、過不足のない形で満足に出金できたという情報が全くないからです。
まとめ
既に出金できないようになっているようなので、お奨めするもしないもありませんが、本記事は、今後同様のケースに遭遇した際に冷静に判断して頂くための一助となればと思います。
「ゲインスカイ」が完全な詐欺案件だったのかどうかは、現時点では明確ではありません。
しかし現状から客観的に述べるなら、本案件は詐欺的な案件であった可能性は高いです。
高配当を謳っていた本案件は、「ゲインスカイ」に所属するFXトレーダーが、顧客が証券会社に預け入れた資金を遠隔で運用して利益を出すという仕組みだったようです。
顧客は運営会社である「ゲインスカイ」に資金を預けるのではなく、「Regal Core Markets」という証券会社に資金を預けるという点が、安心材料の一つだったのだと思います。
しかし、この「Regal Core Markets」は、弊サイトの別記事でも掲載した「ジェンコ」等も利用していた会社であることを考えると、信頼性に疑問符がつきます。
それを裏付けるように、「Regal Core Markets」には関東財務局から無登録業者であるとして警告が出されています。
更に、保証会社「National Insurance Alliance Limited」の実態が危ういことや、「ゲインスカイ」の利用規約等を併せて考えると、やはりまともな案件とはちょっと言い難いです。
「高配当」という響きは確かに魅力的です。
しかし、魅力的であればあるほど、その裏付けが確たるものであるかどうか、真剣に向き合い考える必要があるのです。
(参考)本日のキーワード
ポンジスキームとは
金融詐欺の一種で「出資を募り、運用益を配当金として支払う」と言って資金を集め、実際の運用はなく、新しい出資者からの出資金を配当金として支払いながら、破綻することを前提にお金を騙し取る手法。
https://fliteracy.jp/column-10.htm
ということで、ポンジスキーム自体は昔から使い古されてきた手法です。しかし、現代においてもポンジスキーム案件が後を絶ちません。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)