AIによる仮想通貨アービトラージ収益によって日利1%~4.3%を実現するとしていたようです。
現在、運営も出金も停止状態のようですが、一体何があったのでしょうか。
その実態を見ていきましょう。
運営者情報
- サービス名 ビットライフ(BIT-LIFE)
- 運営会社 クリプトレイジング
- 代表者 小石やすよし 坂井増由美
- 所在地 37th Floor, One Canada Square, London, United Kingdom, E14 5AA
- 電話番号 不明
- E-mail 不明
- URL https://bit-life.net/
ビットライフ(BIT-LIFE)とは?
本案件について、今回のリサーチで分かった良くも悪くも特徴と言える部分は主に下記のようになります。
・日利1%~4.3%を実現するとしていた
・「AIによる仮想通貨アービトラージ収益」と謳っている
・紹介ボーナスにより多く紹介すればするほど大きく報酬が得られる仕組みとなっている
・「ログインができない」といった書き込みが多く見られる
・「出金ができなくなった」という書き込みが多く見られる
・運営者情報の開示が乏しい
…どうでしょうか。
ビットライフ(BIT-LIFE)で儲けるための収益プランは主にアービトラージ収益と紹介ボーナスのようです。
ちなみにメイン事業であるAIによるアービトラージ収益(取引所間のコインの価格差により利益を出す投資法)は4つのレベルから選択が可能とのことで、レベルが上がるごとに配当は大きくなる形であったようです。
AIによるアービトラージ収益について
取引所間のコインの価格差により利益を出す投資法がアービトラージですが、本案件の特徴は、これをAIが自動で行ってくれてその配当を得られるという点です。
4つのレベルがあり、プランに応じて日利は1%~4.3%とされていました。
入出金は全てBTCのようですが、プラットフォーム内はBLP(ビットライフポイント)という独自通貨に変換されるようです。
紹介ボーナスについて
所謂MLMとして、紹介制度をとっていたようです。
前述の契約レベルに応じて、報酬パーセンテージが異なっていたようです。
小石やすよし氏と坂井増由美氏について
運営会社であるCrypto-Raising(クリプトレイジング)の代表である小石氏と坂井氏の2名は、BIT-LIFEの前身組織であるAIトレードという会社の元役員を務めていたようです。
しかしこのAIトレードという会社は既に運営しておらず、代表者であったジョフ・パラダイスという人物が起ち上げた仮想通貨運営会社も、詐欺被害に遭ったというユーザーとのトラブルがあり、既に運営していない組織のようですので、関係者であった小石氏と坂井氏に対してはお世辞にも良いイメージがありません。
多角事業展開は全て「予定」?
運営会社であるCrypto-Raising(クリプトレイジング)の事業内容には、既出のAIによるアービトラージ取引の他に、
ビットビッディング事業(ゲーム事業)
暗号通過のATM事業
仮想通貨カード事業
ECサイト事業
不動産事業
等の記載もあります。
しかしこれらはあくまでも将来の事業展開予定ということで、稼働しているというわけではありません。
出金不能に
2019年6月、システムリニューアルに伴う様々な不具合が発生したとして、運営状況の確認や出金ができなくなりました。
↓発表の一部抜粋↓
(引用)
会員の皆様への重要なお知らせ
2019年6月18日
システムリニューアルに伴い、様々な不具合が発生しており、会員の皆様にはご迷惑をおかけしております。
順次ご案内はしてまいりましたが、詳しい状況が知りたいとのお問い合わせをいただいておりますので、現状についてできるだけ詳しく説明させて頂きます。
この度、BitBillions以外でも複数の事業がバックオフィスにに組み込まれるよう設計されています。
ITチームからは数週間サイトにログインできない状態にしてシステムのアップデート及びメンテナンスを行いたいとの意向でした。
しかし数週間もの間、ログインできない状態は困るので、システムを停止する事なく、その都度、最低限の制限を行いながらアップデートを行う方針で作業を進めてきました。
残念ながらそれは予期しない不具合が発生し、かえって会員の皆様にはご不便とご心配をおかけしている結果となってしまい大変申し訳ございませんでした。
まとめ
実質的に停止中の案件ですので、お奨めする・しないの議論はありませんが、似たような内容で、似たような顛末をたどる案件が近年は非常に多いです。
仮想通貨の知名度が上がったことで、仮想通貨にチャレンジしようと考える人が増え、それを利用して、高配当の謳い文句等で釣ってお金を集め、計画されていたかのように破綻させる業者が後をたちません。
高配当アービトラージを謳っていた本案件も、MLM方式での勧誘を行っていた為、一時期はSNSやブログで好意的な書き込みが多数見られましたが、そういった特徴を持った案件が即ち「ポンジスキーム」案件である場合が多いと言うつもりはありません。
それよりも、調べれば調べるほど、運営会社の実態に怪しい点が見つかることこそが、本案件の問題やトラブル回避の核心であったのではないかと感じています。
高配当を謳っているならば、何故高配当を実現できるのか、その具体的な手法や、会社の運営方法に矛盾点はないか、といった点を、参加を検討する段階で熟考することで、何かしら気付けた事もあったかもしれません。
また、本案件のようなMLM方式の場合、当人だけが資産を失うという単純な話ではなく(もちろんそれも大きな問題ですが)、多段的に問題が波及する為、大きなトラブルに発展するケースが多いです。
「高配当」という響きは確かに魅力的です。
しかし、魅力的であればあるほど、その裏付けが確たるものであるかどうか、真剣に向き合い考える必要があるのです。
(参考)本日のキーワード その1
アービトラージとは
アービトラージとは、「裁定取引」という意味です。
同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。
機関投資家などが、リスクを低くしながら利ざやを稼ぐ際に利用する手法。
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/sa/J0288.html
ということで、大きなアービトラージ利益を期待させる案件には、リスクの有無等しっかりとしたリサーチが必要です。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)
(参考)本日のキーワード その2
ポンジスキームとは
金融詐欺の一種で「出資を募り、運用益を配当金として支払う」と言って資金を集め、実際の運用はなく、新しい出資者からの出資金を配当金として支払いながら、破綻することを前提にお金を騙し取る手法。
https://fliteracy.jp/column-10.htm
ということで、ポンジスキーム自体は昔から使い古されてきた手法です。しかし、現代においてもポンジスキーム案件が後を絶ちません。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)