仮想通貨のマイニングを行うデータセンター事業やアプリ開発事業等、種々の事業に投資して配当を受け取ることができる案件だったようです。
過去形なのは、既に正常に機能していないからです。
中には「1口60万円で3ヶ月後から2万円が配当される」「3年で30%以上のリターンがある」等という謳い文句もあったようですが、結果的には不履行が続いている状態のようです。
一体何があったのかを見ていきましょう。
関連企業情報等
事業者の名称 VISION株式会社
所在地 東京都新宿区弁天町1番地
代表者 新間 壽
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事業者の名称 WILL株式会社
所在地 東京都渋谷区恵比寿南1-1-10
代表者 中島 忠相
エジソンウォレット(Edison Wallet)とは?
本案件について、今回のリサーチで分かった良くも悪くも特徴と言える部分は主に下記のようになります。
・1口60万円で3ヶ月後から2万円が入ると説明されていた?
・現金での報酬支払が止まった
・返金請求や問い合わせに対応してもらえない事例が多数発生
・報酬支払はエジソンウォレットというウォレット上でビガシーコインという暗号資産(仮想通貨と錯覚させてる?)でされることとなった
・ビガシーコインを換金する仕組みが一般的ではなく、実質的には皆無
・消費者庁から行政処分を受けている
…どうでしょうか。
PRPシステムやCCPシステム等と呼称を変えながら、多額の利益を得ることができるなどと、消費者にとって一見魅力的な取引が持ちかけられていたようで、各地で勧誘活動が行われていたようです。
現金での報酬支払が止まり、ビガシーコインというものでの配布となったようですが、ビガシーコインというのはよくよく見れば実質的には仮想通貨の要件を満たしておらず、仮想通貨としては架空のものであるので当然上場もしておらず交換所もない為、事実上、現在のところ換金することができません。
真偽不明のセールストーク
ビガシーコインの交換所を、リベリア政府から要請されて作ったという話や、VISION株式会社が提供するアプリが、アフリカの防疫会議の場で正式採用された等、数々の情報が散見されます。
しかし、いずれも真偽の程は不明であり、内容からいって個人的には事実ではない可能性が非常に高いと思っています。
ビガシーコインについて
現金の代わりに暗号資産でエジソンウォレットに支払われるようになったのがビガシーコインとのことです。
運営側はユーザーに、ビガシーコインを仮想通貨だと認識してほしいようですが、そもそも仮想通貨の口座番号とは全く形式も異なり、ニーモニックコードの生成もないということで、定義的な仮想通貨ではない為、架空のコインと言われても仕方ないと思います。
まとめ
現在既に出金できなくなっている方が多数存在している案件である為、本案件の概要についてあらためて把握することで、今後、もしも似たケースや似た案件に遭遇した場合には、リスクを回避する判断の一助となれば幸いです。
本案件が本当にポンジスキーム、所謂詐欺案件であったのかどうか、いまだ決定的な動きの見えない現在では正直分かりません。
しかし、多数の参加者が出金できていないという事象だけは事実であり、こうなった結果には必ず原因があるはずです。
元々、数々の謳い文句や、複数の商品内容に関する説明を受けて、参加を決めた方が多いのだと思いますが、それら一つ一つの情報は、今見るとかなり陳腐なものもけっこうあります。
運営元の信用性、関わっている主要人物の信頼性、高配当であることに対する心から納得する理由付けがあったか等、これまでの構成要素に、少しでも合点のいかない点はなかったかどうか。
契約前に、それらを調査するという選択肢や余地はなかったのかどうか。
もちろん、完全に出金可能となって再び正常化することが理想かとは思いますが、そうはならない可能性も高いことを踏まえて、冷静にしっかりと動向を見ていく必要があるでしょう。
(参考)本日のキーワード
ポンジスキームとは
金融詐欺の一種で「出資を募り、運用益を配当金として支払う」と言って資金を集め、実際の運用はなく、新しい出資者からの出資金を配当金として支払いながら、破綻することを前提にお金を騙し取る手法。
https://fliteracy.jp/column-10.htm
ということで、ポンジスキーム自体は昔から使い古されてきた手法です。しかし、現代においてもポンジスキーム案件が後を絶ちません。
(※内容によっては別記事で既出の場合もございますのでご了承ください)